クエン酸のキレート作用

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酸っぱさが美味しいキレートレモン。

洗剤の洗浄効果アップや金属工業の助剤などに使われるキレート剤。

さらには農業の中で、水溶性の肥料としても使われている。

そんな、あちらこちらで耳にするのが「キレート」の言葉だ。

 

もちろん、これは「きれいになる」とかいう意味ではない。

キレート作用という、カルシウムなどのミネラルを吸収しやすくさせる働きからきた言葉である。

カルシウムは吸収されにくく、よく吸収されやすい牛乳でも飲んだ分の4割ほどだ。

他には、小魚で3割ほど、野菜で2割ほどで、カルシウムを十分に摂ろうと思ったら、それだけ余分に食べる必要がある。

そこで「どうにかして吸収率をアップできないか?」となるわけだが、そこで有効なのがキレート作用というわけだ。

 

そして、このキレート作用を持つことで有名なのが「クエン酸」である。

レモンなどの柑橘類、キウイ、トマト、梅干しやお酢などに含まれて、酸っぱさのもとにもなっている。

実際に、食事の際にクエン酸を摂取することで、カルシウムや鉄分などの小腸からの吸収が促進されることが判明している。

(なお、体から毒素を排出するデトックスの一種としてキレート作用の名前を使うケースもあるが、上とは別物で真偽も不明)

 

ついでにクエン酸には、他にもいろいろな効果があると言われている。

  • 血糖値の上昇を抑えて肥満を防ぐ
  • コレステロール値を下げる
  • 血管をやわらかくして血流を良くする
  • 血圧の上昇を抑える

などなど、いわゆるメタボや成人病対策に大活躍だ。

 

一方、よく言われている「疲労回復」については、今は否定的な見解が強いようだ。

ただ、偽薬(プラシーボ)効果もありますし、酸っぱいものを飲むと目が覚めて元気が出るというのもあるため、全くの無意味ということもなさそうだ(笑)

 

ちなみに、キレートというのは、ギリシャ語で「カニのはさみ」という意味だ。

クエン酸が、カルシウムなどのミネラルをカニのはさみのように挟む姿から名付けられたとのこと。

 

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