富士山のふもとに広がる青木ヶ原樹海。
通称を富士の樹海とも言い、自殺の名所として有名だ。
そんな不思議の象徴である富士の樹海だけに、いくつもの伝説がある。
有名なところでは「隠れ里」だが、これはもちろん作り話と言って良いだろう。
一方、まことしやかに語られるものとして、コンパスが効かなくなる「迷いの森」だという伝説もある。
ところが残念ながら、コンパスが効かないというのは、嘘ではないが大げさな話だ。
溶岩が磁気を帯びていることもあり、磁気が密集した場所で使ったり、溶岩のすぐ近くにコンパスを置いたりすれば、コンパスが狂うことはある。
しかし、樹海にいる間中ずっと狂うほどではなく、ほとんどの場所では普通に使えるため、何度か使っていけば問題なく外に出られる。
迷いの森と言うとカッコいいが、これについては俗説だと思っておこう。
なお、青木ヶ原樹海は、今ではすっかり観光スポットになっている。
案内板や遊歩道も整備されており、横道にそれたりさえしなければ、気軽に散策も楽しむことができる。
ただ、今でも自殺の名所ではあるため、奥深くに立ち入るのは心づもりがいるかもしれない。